前回に引き続き、クラシックギターと左手についてです。今回は親指が絡んできます。
前回の記事はコチラ
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クラシックギターの左手といえば親指がキモになります。
親指の使い方で、ビシッと決まるか、だらり~ん鼻から牛乳♪になるか、という境目を跨ぐことになります。
ちなみに、マタイ伝とは何の関係もありません。
ではでは、本編へと跨いで行きましょう!
親指の標準的な構えと位置
まずは画像で紹介します。
親指を含めた左手の構え方
上から見た形。
セーハ(Fコードとか)は人差し指と親指で挟みます。といっても親指と人差し指が対面になる訳ではなく、人差し指と中指の中間あたりに親指がきています。
セーハ以外は中指とほぼ対面の位置になります。この画像はFコードを押さえて上から撮っています。
親指の位置。基本的にはこの高さで横に移動します。
可能な限り避けてね、な指の形
シェイクハンド(フォークギターバージョン)。この握り方は中低音弦が押さえられなくなります。
親指粘り型。親指が演奏の指を引っ張ってしまいます。
親指を飼いならすぞ!4段活用常識マタイ伝
誰が親指を飼いならすのか、というと、あなたではありません。
親指を飼いならすのは『脳』です。
そして、『脳』を使いこなすのがあなたです。
親指の付け根の力を抜け
親指の力を抜け、と言われて、「曖昧ふにゅん」な指令を脳に送って親指の力を抜いた気になっても力は抜けていません。
「親指の付け根の力を抜け」とハッキリ脳に指令を送りましょう。
これは場所まで指定してるので「ふにゅん」よりよっぽど具体的。
しな~、、、と力が抜けるのがわかりますよ。いやいや、これはぜひわかるようになってください。
親指はフットワークしながら待機させる
ちょっと1カ所にとどまって演奏すると親指が貼り付いちゃって動かない、な人っていますね。
例えば、ボクシングをイメージしてみましょう。
ボクサーはフットワークしながら戦います。
なぜか?→すぐに体重移動できるから。
フットワークを止めたらどーなる?
「はいボクここだよ、パンチ来ーい!」→はいパンチ、ヒットぉー!→KO!!!
ってなりますよねー。
クラシックギターの場合は演奏KOということになってしまいます。
つまり、スムーズに動けるかどうかのカギはフットワーク。
見た目は親指が止まっていても、脳がフットワークを意識していれば、素早く移動できるようになります。
垂直をキープして、安定感バツグンにピタリと止めよう
親指が垂直でなくなると安定度がガクンと下がります。
これもぜひわかるようになってください。
なぜ安定しなくなるのか?
指版との接触面積が減って角度も垂直とズレてしまうからです。
親指の垂直をキープするということ
左手の移動方向に対して垂直に、最大面積でヘッドを挟むので、ピタッと止まって、且つ安定します。
ピタッと止まって、というのは?
止まる位置がズレると、ズレたために押さえるべきポジションを押さえにくくなります。ということは、演奏ミスにつながりやすい。
止まるべき場所に止まれるようになったら弦のポジションの押さえミスも減る、ということです。
上下移動はアリだと思う
フレットの高位置(12フレットあたりとか)になると、親指を指板裏の中央に置いておくと押さえづらくなります。
こんな時は肘を前に出して、親指を指板下まで下げます。これで手の甲が前面に出るので、指が届きやすくなります。
12フレットより高位置になると、親指はここまで来ますよ。
ひとつの塊になってサッ!、、、と速やかに移動させよう
これも『脳』に意識させてください。
意識するとしないとでは天地の開きがあります。意識の力を侮るなかれ、ですよ。
ある動作を『脳』に意識させると、やがてそれが定着します。
私は脳科学者ではありませんが、クラシックギターに関しては経験上ハッキリと言えます。
『思いは実現する』
これはビジネスの名言ですが、クラシックギターについても言えることです。
抜き足、差し足、忍び足、それはまるで忍者のように
左手でクラシックギターに触れたり話したりするだけでも音は出ています。
これが耳に届くほどの大きさになると雑音になって、演奏の邪魔をします。
だから「消音」の技術が必要になります。
技術やテクニックと聞くと、ついつい構えがちになってしまうものですが、要するに、心がけたら良いのです。
飛行機が着陸するように弦を押さえる
注いだ後ワインボトルの口を回すように弦から離れる
この2つが素早くさり気なく出来るようになってください。
これが出来ると、音のバタつきが減ります。
指のバタつきも、音のバタつきも、意識するだけでかなり落ち着きます。