南こうせつとかぐや姫の『神田川』は、切ないヴァイオリンの音色で始まりますが、その切なさをクラシックギターで再現してみよう、という内容です。
ここで紹介する方法は、コードとメロディーを分けるので、2人の演奏者が必要です。
クラシックギターでいえば、重奏という演奏スタイルになります。
記事の後半に、逸話もありますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。
2人で演奏する場合を想定しています
ヴァイオリンの音色の特徴のひとつに、自然なグリッサンドがかかる、音の持続が長い、というのがあります。
グリッサンドと音の持続をどうやってクラシックギターで再現するか、というところがポイントになります。
1.グリッサンドの効果 → 3弦だけを使う
2.音の持続の効果 → トレモロ
3弦とトレモロで、グリッサンドと音の持続の効果、を狙います
3弦だけ、の弾き方
神田川のイントロの音階です。
(キー:Em ファ#)
ミ レ ド シ ド レ
①レ ソ ラ シ レ ミ ②シ
ミ レ ド レ ファ# ソ ファ#
これらの音をすべて3弦上でトレモロで弾きます。
1本の弦だけを使用することで、グリッサンドの感じを出します。
弾き方の決め所は2か所
①レのコツ
開放のソに向かってグリッサンドを強調する。
滑り台からツィ~と滑り降りるような感じをイメージしてください。
②シのコツ
16フレットの音(最高音)。
前のミからのスムーズな移動を意識してください。
ひと足先に3弦の16フレットに視点を固定。
指の先に目があるつもりで、3弦の感覚を頼りに、16フレットに向かって一気に指を滑らせます。
トレモロの弾き方
このトレモロ奏法は、人差し指をピックのように使います。
親指と人差し指でピックを挟んだ感じで、人差し指で弾きます。
構えはこんな感じ。
赤い丸の箇所を支点にして、上下に細かく往復させます。
16分音符なので、1拍の間に2往復で4回弦を弾きます。
この奏法は初めて、という方は、この機会に覚えておきましょう。
覚えておくと重宝するテクニックですよ。
トレモロは粒を揃える
トレモロはi指(右手の人差し指)をピックに見立てて、16分音符の速さで弾きます。
ギター合奏の経験がある人は、やったことがあるのではないでしょうか。
i指は出来るだけコンパクトに動かすと細かいトレモロが出せます。
1拍4個の音をしっかりムラなく出すように、正確に弾いてください。
意識すると良い音が出るので、意識するのは忘れないようにしましょう。
原曲を聞いて練習しましょう
YouTubeにはオリジナルもアップされているので、動画を観ながら練習を重ねてください。
神田川は曲調はゆっくりなので、ゆったりと情感を込めて、自分がヴァイオリンを弾いてるつもりで16分音符のトレモロを弾きます。
グリッサンドは強めにかけると、オリジナルの雰囲気に近づきますよ。
オリジナルをまねるのが一番おすすめの練習法です。
運指について
出来るだけ滑らかな演奏を、というのが運指の基本です。
自分で実践しつつ、指を運びやすい運指を見つけてください。
ミ→②シ、の箇所は、3の指(左手の薬指)を素早く移動させるのがいいと思います。
【逸話】南こうせつとかぐや姫『神田川』は20分で完成した
この情報はYahoo!ニュースで知った内容なのですが、元が削除されてしまうといけないので、こちらでも紹介しておきますね。
ドキュメント形式でお伝えします。
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南こうせつはアルバム『かぐや姫さあど』に入れる曲が欲しかったので、喜多條忠に作詞を依頼。
締め切りがなんと「きょう中」。
喜多條は頭を抱えてタクシーに乗り込むが、タクシーが神田川を渡っているときに、数年前に3畳一間のアパートで彼女と同棲していた光景を思い出す。
自宅で原稿用紙にタイトルを書き、名曲『神田川』の歌詞をわずか15分で書き上げた。
こうせつに電話で歌詞を伝える。
メモを取り終わって1秒後に、こうせつの頭の中でメロディが完成。
5分後、こうせつは喜多條に「曲ができたから聞いて」と電話。
アルバムの中の1曲の予定だったが、ラジオで紹介したらリクエストが殺到。
急遽シングルカットが決定。
かくして『神田川』は150万枚のミリオンセラーとなったのでありました。
ニュースソースはこちら
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名曲だから、練りに練って完成したのかと思いきや、20分で完成とは驚きましたね。
こうせつさんと喜多條さんに、作詞・作曲の神様が舞い降りてきたのかも知れません。
タイミングって面白いですよね。
はい、そんなエピソードを思い出しつつ、トレモロのイントロで神田川を歌ってみて下さいね。